Shono Mercy Museum

シカゴブルースについて(1949-)



シカゴブルースはとは何か、今一分からない方のために説明しながら書いていく
またシカゴ、デトロイトで演奏しているブルースミュージシャンから聞いた話、わたくし自身の現地での経験も記していこうと思う。

あらかじめ伝えたいのだが、ブルース音楽については言葉で説明できない、感情的な要素を含む音楽なのでわかりにくかったり、違う意味で伝わる可能性があることをご了承いただきたい。

ブルースの概念
マディウォーターズ 「ブルースはフィーリングの音楽だ」
とシカゴブルース先人の彼は語っていた。

その通りブルースは感覚的な音楽だ。感覚を言葉で説明できないのと同じで、ブルースも言葉で説明するのは難しい。
ただ、例えを頼りに説明することに近づけることは出来る。

James Cottonの弟子のDale Robertson曰く
「ブルースは人生との相互作用だ。それを作り出せると同時に人生が作り出される。一緒に生活を共にしているもので常に私の中にあるし、ないときは作り出せばいい。」
→たしかに人生とブルースはかかわりが深く、心の根本にあるような存在と多くの人が語っている。

では、なぜブルースと人生は密接な関係にあるといわれるのだろう。
それはブルースは悲しさがつきものである、多くの人の悲しみと一緒に過ごしてきたからだろう。
ある時は恋人と別れ、ある時はアル中になり、ある時は暴力が発生し、また人種差別と闘って敗れたり。
そういう人生の根本的な悲しみの感情をを歌に乗せる。
そうすることで人々は悲しみを少しでも紛らわそうとしてきた音楽だから、ブルースは感情的なもの、悲しみが根本にあるものと言われ続けている

-ブルースは昔から心にあり、助け合ってきた存在なのである。-

概念的な話はここら辺にして次に音楽的な話に移る。

音楽的な話
まずは基本的なシカゴブルースを聴いてみてほしい
”Jimmy Rogers" -You're The One


ブルースの不思議な雰囲気を感じていただけたら嬉しい。
シンプルだが言葉には完ぺきに表れないその先に行った独特な、生々しい泥臭い雰囲気がそこにある。


ブルースという音楽は譜面通りの音楽ではないし、必ずこうでなければいけないというものもない。
基本3つのコードのみの音楽で同じコード進行の繰り返しだ。(もちろんそうでない場合もたくさんある)
例えばEのブルースならばE→A→E→A→E→B→A→Eというようにこのコード進行を覚えれば何千通りの曲が演奏できるし、作詞作曲もできる。
またそうやって今日までたくさんの曲が作られてきた。

シンプルな音楽でシンプルな編成であり、
基本的なバンド編成はドラム、ベース、ギター×2、(ハープ、ピアノ)にボーカルだ。
少しの人数を集めれば気軽にできる。

また簡単なコード、少し練習すればだれでも演奏できるジャンルでもある。
ただ聴いている人、観ている人の心を動かすのはそんな簡単なものではない。
入門は簡単、中身は複雑で精密な音楽なのがブルース音楽であり、醍醐味だと思う。

複雑で精密という点を簡単に説明すると、いかにバンドとしてのまとまり、まとまった音、リズムを出せるかが重要という点である。

デトロイトのだれかが"ブルースはホットドックのようなものだ。パン、ソーセージ、マスタード、ケチャップ、ピクルスのシンプルな構成だ。
だがパンは固すぎても柔らかすぎてもいけないし、ソーセージも同様。それぞれの素材が混ざり合って最高のホットドックになる"
と言っていた。
面白い例えだがその通りだと思う。
どれかが主張しすぎても、単体が高くても音楽全体のバランスが崩れてしまう。

先ほどのJimmy Rogersの曲を聴いてもまとまりを大切にしていると感じる。

ブルースの楽しみ方
ブルースの楽しみ方は人それぞれなのだが、まずはバンド全体を聴いてフィーリングを楽しむ、ブルース自体に慣れる。
聴くのに慣れてきたら楽器一つ一つに注目し、音の掛け合い、相互作用的なものを楽しんでいくといいかもしれない。
またブルースの歌詞は人間味が強いので、興味がある人は歌詞を調べて当時の心情を考えるのも面白い。

シカゴブルース入門アルバム
では最後にシカゴブルースはどれから聴いていいのかわからないという方のためにアルバムを3つ選んでみた。
どれも有名なアルバムなので、ここまで読んだ方はとりあえず聴いてみるのをお勧めする。

"The Best Of Muddy Waters" - Muddy Walters (1958年)

最初から最後まで中身がブルースというチョコが詰まってるトッポみたいなアルバム。
同時に今でもほとんどの曲が多くの人に愛されてる


"Hate To See You Go" Little Walter (1969年)

シカゴブルースのハープ、リトルウォルターの69年に出たベスト盤。これはジャケットの評価も込みで聴いていただきたい。
正面を見ての自信満々な表情が最高だ。嘘偽りのない音も素晴らしい。

"Chicago Beat" - The Aces

1950年代一緒にシカゴブルースを作ってきた仲間が集まったオールスター的なバンド 'The Aces' さらに大人になったサウンドで心地よいリズムで演奏しているお勧めの1枚。


以上になりますがお楽しみいただけましたでしょうか。
私としては、この記事をきっかけにブルースについて興味持っていただける方が増えたら幸せです。

2021年6月30日

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